退職金込み資産4,000万円
独身ケース
- FIRE達成見込み:68.2%
- 慎重ケース:64歳ごろ
- 判断:50歳完全退職は慎重に見たい
夫婦ケース
- FIRE達成見込み:45.6%
- 慎重ケース:60歳ごろ
- 判断:50歳完全退職はかなり厳しい
公開日: /更新日:
今回のモデルケースでは、独身は5,000万円が検討圏、6,000万円で見通しやすくなり、夫婦は7,000万円が一つの目安になりました。
ただし、生活費、公的年金、退職金、世帯構成、相場の下振れによって結果は変わります。
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50歳で退職を考え始めたとき、最初に知りたいのは、「結局、いくらあれば辞められるのか」ではないでしょうか。
検索すると、5,000万円、6,000万円、7,000万円、1億円など、記事によって必要額の目安はばらばらです。でも、それは当然です。50歳で退職するために必要なお金は、年齢だけでは決まりません。生活費、退職金、公的年金、退職後収入、資産運用、インフレ率、そして退職直後の相場によって大きく変わります。
特に50歳退職では、公的年金が始まる65歳までに15年あります。この15年間を給与なしで乗り切れるかどうかが、必要額を大きく左右します。
この記事では、あんしんFIREで実際に試算した結果をもとに、50歳で退職する場合の必要額を、独身・夫婦のケース別に確認します。
なお、この記事でいう「資産」は、退職金を含めた退職時点の資産総額です。
たとえば、独身ケースの資産5,000万円は、手取りの退職金500万円を含めた金額です。夫婦ケースの資産7,000万円も、手取りの退職金800万円を含めた金額です。
50歳退職に必要な金額は、資産額だけでは決まりません。
毎月の生活費、公的年金、退職金、退職後の収入、世帯構成、インフレ、運用の下振れによって結果は大きく変わります。
今回のモデルケースでは、独身の場合、退職金込み5,000万円が検討圏です。6,000万円でかなり見通しやすくなり、7,000万円では厳しめケースを含むすべてのケースで90歳以上まで資産が残りました。
夫婦の場合、5,000万円は慎重に見たい水準です。6,000万円でも下振れ時の確認が必要で、7,000万円が一つの目安になりました。
大切なのは、「平均的なケースで足りるか」だけではありません。
相場が悪い場合でも、何歳まで資産がもつかを確認することが重要です。
| 退職金込み資産 | 独身ケース | 夫婦ケース |
|---|---|---|
| 4,000万円 | 達成見込み68.2%。慎重ケースでは64歳ごろに資産が尽きる | 達成見込み45.6%。慎重ケースでは60歳ごろに資産が尽きる |
| 5,000万円 | 達成見込み84.8%。検討圏だが、厳しめケースでは67歳ごろ | 達成見込み69.0%。慎重ケースでは63歳で資産が尽きる |
| 6,000万円 | 達成見込み92.2%。慎重ケースでは90歳以上 | 達成見込み82.7%。やや慎重ケースでは90歳以上だが、慎重ケースでは72歳ごろ |
| 7,000万円 | 達成見込み96.1%。全ケースで90歳以上 | 達成見込み90.0%。慎重ケースでは90歳以上 |
独身ケース
夫婦ケース
独身ケース
夫婦ケース
独身ケース
夫婦ケース
独身ケース
夫婦ケース
同じ5,000万円でも、独身と夫婦では見え方が大きく変わります。
50歳退職では、資産額だけでなく、生活費・年金・世帯構成・インフレ・下振れ時の資産寿命まで見て判断することが大切です。
自分の場合はいくら必要?
この記事の数字は、条件をそろえたモデルケースです。
実際の必要額は、あなたの生活費、公的年金、退職金、現在の資産、退職後の収入によって変わります。
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自分と少し条件が違う方は、退職シミュレーションの試算例・ガイド一覧を見る
多くの記事は、「平均でいくら必要か」までです。
この記事では、そこから一歩進めて、「下振れした場合でも、自分の資産は何歳までもつのか」まで見ていきます。
50歳で退職する場合、最初に考えるべきなのは、老後全体の必要額ではありません。まず見るべきなのは、50歳から65歳までの15年間です。この期間は、公的年金がまだ始まっていない前提です。会社員としての給与がなくなり、生活費を資産から取り崩していく期間になります。
単純に生活費だけで見ると、15年間で必要になる金額は次のようになります。
| 月の生活費 | 65歳まで15年分の生活費 | 退職金込み資産で見たい目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 3,600万円 | 5,000万円前後でも検討余地 |
| 25万円 | 4,500万円 | 5,000万〜6,000万円は確認したい |
| 30万円 | 5,400万円 | 6,000万〜7,000万円でも下振れ確認 |
| 35万円 | 6,300万円 | 退職後収入や退職時期の見直しも検討 |
これは、運用益・退職金・税金・社会保険料・年金を考慮しない、単純な生活費だけの計算です。実際には、退職金を含めた資産があります。資産を運用しながら取り崩す人もいます。65歳以降は公的年金が始まるため、資産の取り崩し額が減る人もいます。
一方で、インフレによって生活費は増える可能性があります。今回の試算では、インフレ率を年2%として計算しています。つまり、今の生活費が月25万円でも、将来もずっと25万円で暮らせる前提ではありません。物価上昇を考慮したうえで、資産が何歳までもつかを確認しています。
50歳退職の必要額は、「65歳までの15年分の生活費がいくらか」を出発点にしつつ、「退職金を含めた資産総額で、インフレや相場の下振れにどこまで耐えられるか」まで確認する必要があります。
試算結果を見る前に、今回の前提を整理します。この記事の数字は、すべて次の条件でそろえています。
今回の試算では、退職金を含めた資産総額を、すべて特定口座で全世界株式に投資している前提です。リターンとリスクは、全世界株式ETFであるVTの過去30年データをもとに設定しています。これは世界株式に分散投資した場合のモデルケースであり、特定の商品への投資をすすめるものではありません。過去のデータは将来の成果を保証するものではないため、結果は一つの目安としてご覧ください。
また、今回のモデルケースではNISAやiDeCoは使っていません。実際には、NISAで運用している資産、iDeCoや企業型DCのように60歳まで使えない資産、預貯金などがある人も多いはずです。その場合は、資産の使える時期や税金の扱いによって結果が変わります。この記事では、まず50歳退職に必要な資産額の目安をつかみやすくするために、条件をそろえたモデルケースとして試算しています。
試算結果には、「FIRE達成見込み」「厳しめケース」「慎重ケース」「やや慎重ケース」という言葉が出てきます。初めて見ると少し分かりにくいかもしれません。ここで、先に意味を整理しておきます。
シミュレーションした複数の資産推移のうち、90歳まで資産が残った割合です。
たとえばFIRE達成見込みが84.8%なら、試算したパターンのうち約84.8%で90歳まで資産が残ったという意味です。
ただし、84.8%の確率で必ず成功するという保証ではありません。入力した条件と運用前提にもとづく目安です。
シミュレーション結果の下位5%に近い、かなり悪いケースです。
この場合に、何歳まで資産がもつかを示します。
シミュレーション結果の下位10%に近い、悪いケースです。
厳しめケースほどではありませんが、平均より悪い相場での資産寿命を示します。
シミュレーション結果の下位20%に近い、やや悪いケースです。
平均より少し悪い相場になった場合に、何歳まで資産がもつかを示します。
たとえば「慎重ケースで77歳」と書いている場合、平均的にはもっと長く資産が残る可能性があります。ただし、相場が悪い方向に進んだ場合には、77歳ごろに資産が尽きる結果もあり得る、という意味です。退職判断では、FIRE達成見込みの数字だけでなく、慎重ケースや厳しめケースで何歳まで資産がもつかを見ることが大切です。
この記事でいう「資産が尽きる年齢」とは、入力した生活費や年金、インフレ率、運用前提のもとで、金融資産がほぼなくなる年齢の目安です。
実際には、生活費を下げる、働いて収入を得る、年金の受け取り方を変える、資産配分を変えるなどによって結果は変わります。そのため、「この年齢で必ず資産がなくなる」という意味ではありません。あくまで、今の条件のまま進んだ場合に、どのあたりが危ないラインになるかを見るための目安です。
「50歳 退職 いくら必要」で調べると、答えはかなり幅があります。
ある記事では5,000万円。別の記事では7,000万円。また別の記事では1億円。
同じ50歳退職なのに、なぜここまで差が出るのでしょうか。理由は、必要額が次の条件で大きく変わるからです。
1. 生活費
もっとも大きいのは生活費です。月20万円で暮らす人と、月35万円必要な人では、65歳までの15年間だけでも2,700万円の差があります。今回の試算では、生活費は支出の全部として扱っています。食費や光熱費だけでなく、税金、社会保険料、住居費、医療費、通信費、交際費など、退職後に必要な支出をまとめた金額です。同じ50歳退職でも、生活費が違えば必要額はまったく別の数字になります。
2. 公的年金の見込み額
65歳以降に受け取れる年金額も重要です。今回の試算では、年金は65歳開始、金額は手取りで入力しています。年金見込み額が多ければ、65歳以降の取り崩し額は少なくて済みます。反対に、年金が少ない場合は、65歳以降も資産を大きく取り崩し続ける必要があります。50歳で退職すると、その後は厚生年金の加入期間が増えないため、将来の年金額にも影響します。ねんきん定期便やねんきんネットで、自分の見込み額を確認しておくことが大切です。
3. 退職金を含めた資産額
退職金があるかどうかも、必要額に大きく影響します。今回の試算では、退職金は手取り額として資産に組み入れています。たとえば「資産5,000万円」と書いている場合、それは手取りの退職金を含めた退職時点の資産総額です。自分で考えるときも、現在の金融資産+税引後の退職金を合わせて、退職時点でいくら使えるのかを見ると分かりやすくなります。退職金の額面だけで考えると、実際に使える資産を多く見積もってしまう可能性があります。
4. 年金開始までの空白期間
50歳退職の最大の特徴は、年金開始までの期間が長いことです。60歳退職なら、65歳まで5年。55歳退職なら、65歳まで10年。50歳退職なら、65歳まで15年あります。今回の試算では、年金以外の収入はありません。つまり、50歳から65歳までは、資産だけで生活費をまかなう前提です。だからこそ、50歳退職では「老後資金の総額」だけではなく、「65歳までの資金繰り」を分けて見る必要があります。
5. インフレ率
今回の試算では、インフレ率を年2%としています。退職後の生活費は、今の金額のまま固定されるとは限りません。物価が上がれば、同じ生活を続けるために必要な支出も増えます。50歳退職では、90歳まで見ると40年あります。40年という長い期間では、インフレの影響はかなり大きくなります。そのため、50歳退職の必要額を考えるときは、今の生活費だけでなく、将来の生活費の増加も見ておく必要があります。
50歳で退職するには、5,000万円あればいい。いや、1億円は必要。このような目安は、最初の参考にはなります。でも、その数字をそのまま自分に当てはめるのは危険です。
多くの目安は、次のような考え方で計算されています。
年間生活費 × 退職後の年数 − 年金の総受給額
この式自体は分かりやすく、ざっくり必要額を知るには便利です。ただし、見落とされやすい点があります。それが、運用のブレです。
実際の相場は、毎年同じリターンで動くわけではありません。良い年もあれば、悪い年もあります。そして、退職後の資産取り崩しでは、「悪い相場がいつ来るか」がとても重要になります。
たとえば、退職直後に大きく下落した場合。まだ資産が多く残っている時期に大きく減るため、その後の回復にも時間がかかります。しかも生活費の取り崩しは続くため、相場が回復する前に資産が大きく減ってしまう可能性があります。一方で、退職後しばらく相場が良く、資産が増えたあとに下落が来た場合は、同じ平均リターンでも結果が変わります。
これを、シーケンス・オブ・リターン・リスクと呼びます。
難しく聞こえるかもしれませんが、退職判断で見るべきポイントはシンプルです。平均では足りるのか。下振れしても足りるのか。この2つは、まったく別の問いです。
50歳退職では、給与収入がなくなる期間が長いため、平均だけでなく、慎重ケースでも資産がもつかを見ておくことが大切です。
ここからは、あんしんFIREで実際に試算した結果を見ていきます。今回は、50歳で退職するケースとして、独身と夫婦の2パターンを用意しました。どちらも、想定寿命は90歳、インフレ率は年2%、年金開始は65歳、年金以外の収入はなしという前提です。資産はすべて特定口座で全世界株式に投資しているものとして、過去30年の平均リターン・リスクを使って試算しています。
年齢
50歳
想定寿命
90歳
生活費
月22万円
支出の全部
公的年金
月13万円
65歳から・手取り
インフレ率
年2%
退職金
手取り500万円
資産総額
4,000〜7,000万円
退職金込み
退職後収入
年金以外なし
たとえば、資産5,000万円のケースは、手取り退職金500万円を含めた退職時点の資産総額として試算しています。退職金を除いた金融資産だけで5,000万円ある、という意味ではありません。
年齢
50歳
想定寿命
90歳
生活費
月28万円
支出の全部
公的年金
月18万円
65歳から・手取り
インフレ率
年2%
退職金
手取り800万円
資産総額
5,000〜7,000万円
退職金込み
退職後収入
年金以外なし
夫婦ケースも同じです。資産7,000万円のケースは、手取り退職金800万円を含めた退職時点の資産総額として試算しています。
今回は比較しやすくするため、資産をすべて特定口座で運用する前提にしています。
ただし、実際の資産はもっと複雑です。
NISAで運用している資産、iDeCoや企業型DCのように受け取れる時期が決まっている資産、預貯金、退職金などが混ざっている人も多いはずです。
同じ5,000万円でも、すぐ使える資産が多い人と、60歳以降まで使えない資産が多い人では、50歳から65歳までの資金繰りが変わります。
あんしんFIREでは、NISA、iDeCo、企業型DC、退職金などを分けて入力して、自分の資産内訳に近い形で試算できます。
このページのモデルケースを参考にしつつ、実際に判断するときは、自分の資産配分で確認してみてください。
まずは、50歳独身のケースです。生活費は支出全体で月22万円。公的年金は65歳から手取り月13万円。インフレ率は年2%。年金以外の収入はなし。資産総額は、手取り退職金500万円を含めた退職時点の資産として、4,000万円、5,000万円、6,000万円、7,000万円の4パターンで比較しました。
| 退職金込み資産 | FIRE達成見込み | 厳しめケース | 慎重ケース | やや慎重ケース |
|---|---|---|---|---|
| 4,000万円 | 68.2% | 62歳ごろ | 64歳ごろ | 72歳ごろ |
| 5,000万円 | 84.8% | 67歳ごろ | 77歳ごろ | 90歳以上 |
| 6,000万円 | 92.2% | 78歳ごろ | 90歳以上 | 90歳以上 |
| 7,000万円 | 96.1% | 90歳以上 | 90歳以上 | 90歳以上 |
退職金込み資産
慎重に見たい
資産総額4,000万円では、FIRE達成見込みは68.2%でした。数字だけを見ると、まったく可能性がないわけではありません。ただし、厳しめケースでは62歳ごろ、慎重ケースでは64歳ごろで資産が尽きる結果です。50歳退職では65歳まで公的年金が始まらないため、下振れした場合は年金開始前後で資産が尽きるリスクがあります。
退職金込み資産
検討圏
資産総額5,000万円では、FIRE達成見込みは84.8%まで上がりました。やや慎重ケースでは90歳以上まで資産が残る結果です。一方で、厳しめケースでは67歳ごろ、慎重ケースでは77歳ごろで資産が尽きる結果でした。この前提では、5,000万円は検討圏に入る水準です。ただし、厳しめケースまで見ると、絶対に安心できる金額とは言い切れません。
退職金込み資産
かなり見通しやすい
資産総額6,000万円では、FIRE達成見込みは92.2%でした。厳しめケースでは78歳ごろ、慎重ケース・やや慎重ケースでは90歳以上まで資産が残る結果です。独身・生活費月22万円・年金月13万円という前提では、6,000万円まで増えると、かなり見通しやすくなります。
退職金込み資産
下振れにも比較的強い
資産総額7,000万円では、FIRE達成見込みは96.1%となり、厳しめケース・慎重ケース・やや慎重ケースのすべてで90歳以上まで資産が残る結果でした。この条件では、かなり余裕を持ちやすい水準といえます。ただし、生活費が月22万円より高い場合、年金額が月13万円より少ない場合、住宅費や医療・介護費が大きい場合は、結果が変わる可能性があります。
ここまでの結果を、あんしんFIREの実際の試算画面でも確認します。
画像では、FIRE達成見込みに加えて、将来の資産推移や、相場が下振れした場合の資産寿命を確認できます。

独身・50歳退職の条件で試算してみる
生活費、公的年金、退職金が少し変わるだけでも、結果は大きく変わります。
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次に、50歳夫婦のケースです。生活費は支出全体で月28万円。公的年金は65歳から手取り月18万円。インフレ率は年2%。年金以外の収入はなし。資産総額は、手取り退職金800万円を含めた退職時点の資産として、5,000万円、6,000万円、7,000万円の3パターンで比較しました。
| 退職金込み資産 | FIRE達成見込み | 厳しめケース | 慎重ケース | やや慎重ケース |
|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 69.0% | 62歳ごろ | 63歳ごろ | 71歳ごろ |
| 6,000万円 | 82.7% | 64歳ごろ | 72歳ごろ | 90歳以上 |
| 7,000万円 | 90.0% | 73歳ごろ | 90歳以上 | 90歳以上 |
退職金込み資産
かなり慎重に見たい
資産総額5,000万円では、FIRE達成見込みは69.0%でした。独身ケースの5,000万円は84.8%だったため、同じ5,000万円でも夫婦ではかなり見え方が変わります。厳しめケースでは62歳ごろ、慎重ケースでは63歳ごろで資産が尽きる結果です。50歳退職で65歳まで15年あることを考えると、夫婦で5,000万円はかなり慎重に見たい水準です。
退職金込み資産
改善するが下振れに注意
資産総額6,000万円では、FIRE達成見込みは82.7%まで改善しました。
やや慎重ケースでは90歳以上まで資産が残る結果です。
一方、厳しめケースでは64歳ごろ、慎重ケースでは72歳ごろに資産が尽きます。
つまり、6,000万円になると全体の見通しは大きく改善しますが、相場の下振れまで考えると、まだ不安が残る水準です。
ここまでの結果を、あんしんFIREの実際の試算画面でも確認します。
今回の条件は、夫婦ともに50歳、生活費月28万円、公的年金は65歳から夫婦合計で手取り月18万円、退職金込み資産6,000万円です。
画像では、FIRE達成見込みに加えて、将来の資産推移や、相場が下振れした場合の資産寿命を確認できます。

退職金込み資産
一つの目安
資産総額7,000万円では、FIRE達成見込みは90.0%でした。慎重ケース・やや慎重ケースでは、90歳以上まで資産が残る結果です。ただし、厳しめケースでは73歳で資産が尽きる結果でした。夫婦の場合、7,000万円は一つの目安になりますが、それでも「絶対に大丈夫」とは言い切れません。生活費、住宅費、医療費、介護費、子どもの教育費、配偶者の年金額などによって必要額は大きく変わります。独身と同じ金額で判断するのではなく、必ず自分の世帯条件で確認することが大切です。
夫婦の生活費と年金額で確認する
夫婦の場合、生活費が月2万円違うだけでも、必要資産は大きく変わります。
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50歳退職を考えるとき、多くの人が気になるのが、「退職金込みで5,000万円あれば足りるのか」という点です。今回の試算では、独身と夫婦で結果が大きく分かれました。
独身ケースでは、退職金込みの資産総額5,000万円でFIRE達成見込み84.8%。やや慎重ケースでは90歳以上まで資産が残る結果でした。一方で、厳しめケースでは67歳ごろ、慎重ケースでは77歳ごろで資産が尽きます。つまり、独身で生活費月22万円、年金月13万円という前提なら、5,000万円は検討圏です。ただし、下振れまで見ると、安心しきれる水準ではありません。
夫婦ケースでは、退職金込みの資産総額5,000万円でFIRE達成見込み69.0%。慎重ケースでは63歳ごろ、やや慎重ケースでも71歳ごろで資産が尽きる結果でした。夫婦で生活費月28万円、年金月18万円という前提では、5,000万円はかなり慎重に見たい水準です。
同じ5,000万円でも、独身か夫婦か、生活費がいくらか、年金がいくらかで意味が変わります。「5,000万円あれば大丈夫か」ではなく、「自分の生活費と年金なら、5,000万円で何歳までもつか」を確認することが大切です。
5,000万円で足りるかどうかが気になる一方で、6,000万円・7,000万円まで増えると、結果は大きく変わります。
独身ケースでは、資産総額6,000万円でFIRE達成見込み92.2%。慎重ケースでは90歳以上まで資産が残りました。資産総額7,000万円では、達成見込み96.1%となり、厳しめケースでも90歳以上まで資産が残る結果です。独身の場合、今回の前提では、5,000万円でも検討圏、6,000万円でかなり見通しやすくなり、7,000万円で下振れにも強い水準になりました。
一方、夫婦ケースでは、6,000万円でも慎重ケースでは72歳で資産が尽きる結果でした。7,000万円になると、達成見込み90.0%、慎重ケースでは90歳以上まで資産が残ります。夫婦の場合は、5,000万円では厳しく、6,000万円でも慎重確認が必要で、7,000万円が一つの目安になりやすい結果です。
ただし、7,000万円でも厳しめケースでは73歳で資産が尽きるため、医療費・介護費・住宅費・教育費などの大きな支出がある場合は、さらに慎重に見る必要があります。
50歳退職で怖いのは、退職前に不安になることだけではありません。本当に怖いのは、退職したあとに、「思っていたよりお金の減り方が早い」と気づくことです。
50歳で退職して後悔しやすいのは、次のようなパターンです。
退職金込みの資産額だけで判断した
退職金込みで5,000万円ある。退職金込みで6,000万円ある。この金額だけを見ると、安心できそうに感じるかもしれません。でも、必要額は資産額だけでは決まりません。生活費、年金、インフレ、税金、社会保険料、相場の下振れによって、資産寿命は大きく変わります。資産額だけで判断すると、退職後に想定より早く資産が減る可能性があります。
65歳までの15年間を軽く見た
50歳退職では、公的年金が始まるまで15年あります。この15年間は、思っている以上に長い期間です。月25万円の生活費なら、15年で4,500万円。月30万円なら、15年で5,400万円です。しかも今回の試算では、インフレ率2%を入れています。年金が始まるまでの資金繰りを軽く見ていると、60代前半で不安が大きくなる可能性があります。
退職翌年の税金・健康保険料を見落とした
今回の生活費は、支出全体として入力しています。そのため、自分で試算する場合も、食費や光熱費だけでなく、税金・社会保険料・住居費などを含めて考える必要があります。退職したからといって、すぐに支出が軽くなるわけではありません。退職翌年には、前年の所得をもとにした住民税がかかります。健康保険も、会社員時代とは変わります。国民健康保険にするのか、任意継続にするのか、家族の扶養に入れるのかによって負担は変わります。退職直後の税金・社会保険料を見落とすと、最初の数年で資金計画が崩れやすくなります。
退職金を額面で見ていた
今回の試算では、退職金は手取りで資産に組み入れています。実際に退職金を受け取るときは、税金がかかる場合があります。退職金の額面をそのまま使えるお金として考えると、退職時点の資産を多く見積もってしまう可能性があります。自分で試算するときは、できれば税引後の手取りに近い金額で入力する方が現実に近くなります。さらに、iDeCo・企業型DCもある場合は、退職金と同じ年に受け取るか、数年あけて受け取るかでも税額が変わります。退職金とiDeCoの額面を別々に確認するだけでなく、受け取りタイミング別の手取りと資産寿命の比較も見ておくと、退職時点の資産をより現実的に見積もれます。
退職直後の暴落を想定していなかった
今回の試算では、資産を特定口座で全世界株式に投資している前提です。全世界株式は世界中の株式に分散投資できますが、元本保証の商品ではありません。退職直後に相場が大きく下がる可能性もあります。働いている間なら、相場が下がっても給与収入で生活できます。でも退職後は、下落した資産を取り崩して生活することになります。資産が大きく減った時期に取り崩しが続くと、その後の回復が難しくなることがあります。だからこそ、平均リターンだけでなく、慎重ケースや厳しめケースを見る必要があります。
完全無収入の前提だけで考えていた
今回の試算では、年金以外の収入はありません。つまり、50歳から65歳までは、資産だけで生活する前提です。でも、月3万円〜5万円の収入があるだけでも、資産寿命は変わります。完全退職が難しい場合でも、短時間勤務、副業、業務委託、趣味に近い仕事などを組み合わせれば、退職の現実味が変わることがあります。「働くか、辞めるか」の二択ではなく、「どれくらい働けば安心できるか」を確認することも大切です。
Googleアカウントまたはメールアドレスでかんたん登録無料で一回試せます。クレカ・氏名・住所・電話番号は不要
50歳退職で大切なのは、必要額を1つの数字で決めつけないことです。今回の試算でも、同じ資産額であっても、結果には幅がありました。
たとえば、50歳独身・資産総額5,000万円のケースでは、FIRE達成見込みは84.8%でした。達成見込みだけを見ると、かなり高く感じるかもしれません。でも、厳しめケースでは67歳ごろ、慎重ケースでは77歳ごろで資産が尽きる結果です。同じ5,000万円でも、相場の動き方によって結果は大きく違います。
これが、退職判断の難しいところです。平均的には大丈夫そうに見えても、退職直後に相場が下振れすると、資産寿命が短くなる可能性があります。
だからこそ、50歳退職では、
をセットで見る必要があります。「平均では足りる」だけではなく、「悪いケースでも、どこまで耐えられるか」を確認することが、退職判断では大切です。
ここまでの試算は、あくまで一例です。実際の必要額は、人によって変わります。自分の条件で確認するときは、次の項目を変えて見ていくと分かりやすいです。
生活費
まず変えるべきなのは生活費です。今回の試算では、生活費を「支出の全部」として扱っています。食費や光熱費だけでなく、税金、社会保険料、住宅費、医療費、通信費、交際費なども含めて考える必要があります。月の生活費が2万円変わるだけでも、15年では360万円の差になります。30年で見れば720万円です。実際にはインフレや運用、年金も関係するため、影響は単純計算どおりではありません。それでも、生活費は必要額にもっとも大きく影響する項目です。まずは現在の生活費で試算し、そのあと月2万円下げた場合、月2万円上がった場合を比べると、自分の計画の余裕度が見えやすくなります。
退職金込みの資産総額
次に見るべきなのは、退職金込みの資産総額です。今回の試算では、退職金は手取りで資産に組み入れています。現在の金融資産だけを見ると、退職時点の資金を少なく見積もってしまうことがあります。一方で、退職金を額面のまま見積もると、退職後の余裕を大きく見誤る可能性もあります。会社の退職金規程や、勤続年数ごとの見込み額を確認し、現在の金融資産+税引後の退職金で退職時点の資産総額を確認しておくと、より現実に近い結果になります。
資産の内訳
同じ5,000万円でも、資産の内訳によって安心度は変わります。すぐ使える預貯金や特定口座の資産が多いのか。NISAで運用している資産が多いのか。iDeCoや企業型DCのように、受け取れる時期が決まっている資産が多いのか。この違いは、50歳から65歳までの資金繰りに影響します。今回のモデルケースでは特定口座だけで試算していますが、あんしんFIREではNISA、iDeCo、企業型DC、退職金などを分けて入力できます。総資産だけで判断せず、自分の資産内訳で試算してみると、退職後のお金の流れがより現実に近づきます。
公的年金
今回の試算では、年金は65歳から受け取る前提です。金額は手取りで入力しています。年金見込み額は、人によって差があります。65歳以降の年金が多ければ、資産の取り崩しは少なくて済みます。反対に、年金が少ない場合は、65歳以降も資産を多く取り崩す必要があります。ねんきん定期便やねんきんネットで、まず自分の見込み額を確認しておくことが大切です。
インフレ率
今回の試算では、インフレ率を年2%としています。インフレ率を高くすると、将来の生活費が増え、必要額も大きくなります。逆に、インフレ率を低く見ると、必要額は小さく出やすくなります。50歳退職では、90歳まで40年あります。長い期間で見るほど、インフレ率の影響は大きくなります。自分で試算するときは、インフレ率を変えた場合も確認しておくと安心です。
退職後収入
今回の試算では、年金以外の収入はありません。完全に無収入で退職するか、月数万円でも収入を得るかで、必要額は変わります。月5万円の収入でも、年間60万円。10年で600万円、15年で900万円です。副業、業務委託、短時間勤務、配当、家賃収入など、退職後に少しでも収入を得られるなら、資産寿命への影響を確認する価値があります。
退職年齢
50歳で退職する場合と、55歳まで働く場合では、年金開始までの空白期間が5年変わります。50歳退職なら65歳まで15年。55歳退職なら65歳まで10年。60歳退職なら65歳まで5年です。退職時期を数年ずらすだけでも、必要額は大きく変わります。「50歳で辞めるかどうか」だけでなく、「52歳ならどうか」「55歳ならどうか」と比較すると、現実的な選択肢が見えやすくなります。
50歳退職を考えるなら、最初から細かく条件を増やしすぎる必要はありません。まずは次の4つを試すだけでも、かなり見え方が変わります。
1. 今の生活費のまま退職する
最初は、現在の生活費で試算します。ここで見たいのは、今の生活水準のまま退職した場合に、何歳まで資産がもつかです。生活費は、支出の全部として入力します。税金や社会保険料、住宅費などを抜いてしまうと、実際より楽観的な結果になりやすいので注意が必要です。
2. 生活費を月2万円下げる
次に、生活費を月2万円下げた場合を試します。無理な節約を前提にする必要はありません。通信費、保険、サブスク、車、外食など、固定費や習慣的な支出を少し見直すだけでも、退職後の資産寿命に影響することがあります。
3. 月5万円の退職後収入を入れる
完全に働かない前提だけでなく、月5万円の収入がある場合も試します。50歳で完全退職するのが不安でも、少し働きながら自由な時間を増やす選択肢もあります。サイドFIREに近い形です。月5万円の収入で資産寿命がどれくらい変わるかを見ると、退職後の働き方も考えやすくなります。
4. 退職時期を55歳にずらす
最後に、退職時期を55歳にした場合を試します。50歳で辞めるのは厳しくても、55歳なら現実的になることがあります。年金開始までの空白期間が15年から10年に短くなり、その間に資産も積み増せる可能性があるためです。50歳退職だけで判断せず、退職時期を少しずらした場合も確認すると、無理のない選択肢が見えてきます。
50歳で退職できるかどうかを考えるとき、つい答えを一つに決めたくなります。5,000万円で足りるのか。6,000万円必要なのか。7,000万円なら安心なのか。1億円ないと無理なのか。
でも実際には、必要額は固定ではありません。生活費を下げれば変わります。退職後に月数万円の収入があれば変わります。退職時期を数年ずらせば変わります。年金の受け取り方でも変わります。インフレ率や運用前提を変えても結果は変わります。
つまり、50歳退職の試算で本当に見たいのは、「今すぐ辞められるかどうか」だけではありません。「何を変えれば、退職が現実的になるのか」です。
今回の試算では、独身ケースでは退職金込みの資産総額5,000万円でも検討圏に入り、6,000万円でかなり見通しやすくなり、7,000万円では厳しめケースでも90歳以上まで資産が残る結果でした。一方、夫婦ケースでは、5,000万円では慎重ケースで63歳ごろ、6,000万円でも慎重ケースで72歳ごろという結果でした。7,000万円になると慎重ケースで90歳以上まで資産が残りますが、厳しめケースでは73歳ごろで資産が尽きます。
同じ資産額でも、独身と夫婦では必要額の見え方が変わります。だからこそ、平均の目安だけで判断するのではなく、自分の条件で試算することが大切です。
生活費はいくらか。退職金込みの資産総額はいくらか。年金はいくら受け取れそうか。インフレ率は何%で見るか。退職後も少し働くのか。何歳まで資産を持たせたいのか。これらを自分の数字に置き換えると、退職判断はかなり具体的になります。