生活費 月20万円
ゆとりが見込めます- FIRE達成見込み
- 100%
- 厳しめケース
- 資産寿命90歳まで尽きない
- 慎重ケース
- 資産寿命90歳まで尽きない
- やや慎重ケース
- 資産寿命90歳まで尽きない
- その他資産
- 1,500万円
- 退職時点の総資産
- 3,500万円
公開日: /更新日:
退職金2,000万円を単純に生活費で割ると、月20万円なら約8.3年、月25万円なら約6.7年、月30万円なら約5.6年です。
ただし、実際の退職後には公的年金が入り、退職金以外の預貯金や運用資産もあります。反対に、物価上昇や相場の下落によって、資産の減りが早くなることもあります。
今回のモデルケースでは、退職金2,000万円にその他資産1,500万円を加えた総資産3,500万円で試算しました。生活費が月20万円なら、厳しめのケースを含めて90歳まで資産が残る見込みでした。一方、月30万円ではFIRE達成見込みが59.1%となり、厳しめのケースでは74歳ごろに資産が尽きる結果です。
退職金が何年もつかは、退職金の額だけでは決まりません。生活費、公的年金、退職金以外の資産、運用状況を含めて、下振れした場合でも何歳まで資産がもつかを見ることが大切です。
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今回のモデルケースは、60歳で退職する夫婦二人、退職金2,000万円、その他資産1,500万円、65歳からの公的年金が月18万円です。
この条件では、生活費によって結果が大きく変わりました。
月25万円では達成見込みが94.1%あるため、一見すると余裕があるように見えます。しかし、相場が悪い方向に進んだ厳しめのケースでは、想定寿命90歳の直前で資産が尽きます。
さらに、退職金2,000万円が同じでも、その他資産が1,500万円から1,000万円に減ると、生活費月30万円の達成見込みは59.1%から30.5%まで下がりました。
退職金2,000万円という一つの数字だけで安心・不足を判断せず、自分の生活費と年金、その他資産を含めて確認する必要があります。
| 生活費 | その他資産 | 総資産 | FIRE達成見込み | 厳しめケース(下位5%) |
|---|---|---|---|---|
| 月20万円 | 1,500万円 | 3,500万円 | 100% | 90歳まで尽きない |
| 月25万円 | 1,500万円 | 3,500万円 | 94.1% | 89歳ごろ |
| 月30万円 | 1,500万円 | 3,500万円 | 59.1% | 74歳ごろ |
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まず、退職金だけを生活費で割ると次のようになります。
| 毎月の生活費 | 年間の生活費 | 退職金2,000万円がもつ年数 |
|---|---|---|
| 20万円 | 240万円 | 約8.3年 |
| 25万円 | 300万円 | 約6.7年 |
| 30万円 | 360万円 | 約5.6年 |
この計算は、最初の目安としては分かりやすいものです。ただし、答えているのは「退職金だけで生活費の全額を払ったら、何年でなくなるか」です。
実際の退職後の家計とは、前提が違います。
そのため、単純な割り算と、年金・その他資産・運用を含むシミュレーションは、そもそも答えている問いが違います。
単純計算は「退職金単体の目安」。退職判断で見たいのは「退職金を含む資産全体が、下振れした場合でも何歳までもつか」です。
60歳で退職する場合、公的年金が始まる65歳までの5年間は、給与がなければ生活費の多くを資産から取り崩します。
一方、65歳から年金が始まると、資産から補うのは生活費と年金の差額です。
今回の年金は夫婦で月18万円です。生活費月25万円なら、65歳以降に資産から補う基本額は月7万円です。生活費の全額25万円を、90歳まで資産から出し続けるわけではありません。
退職後に使えるお金は、退職金だけとは限りません。預貯金、特定口座、NISA、iDeCo、企業型DCなどもあります。
ただし、同じ総資産でも、すぐに使える現金が多いのか、受け取り時期が決まっている資産が多いのかによって、退職直後の資金繰りは変わります。
運用の平均利回りが同じでも、退職直後に相場が下がる場合と、退職後しばらく資産が増えてから下がる場合では、資産がもつ年齢は変わります。
退職後は、相場が下がっているときでも生活費を取り崩さなければなりません。値下がりした資産の売却が続くと、その後の相場回復に回せる資産が少なくなります。
そのため、あとから相場が戻っても十分に回復できず、資産が想定より早く尽きることがあります。
だから、平均的な資産推移だけで判断せず、退職後の早い時期に相場が下がった慎重ケースや厳しめケースも確認することが大切です。
ここからは、次のモデルケースで試算します。あくまで比較用の一例です。退職金、生活費、年金、その他資産は、自分の数字に変えて確認できます。
退職年齢
60歳
世帯
夫婦二人
想定寿命
90歳
退職金
2,000万円
手取り額
その他資産
1,500万円
比較用に1,000万円も試算
退職時点の総資産
3,500万円
公的年金
65歳から夫婦で月18万円
手取り額
生活費
月20万・25万・30万円
退職後収入
公的年金以外なし
インフレ率
年2%
資産の保有・運用前提
退職金は現金で保有
その他資産は全世界株式で運用
判定
90歳まで資産が残るか
下振れ時の資産寿命も確認
生活費は、食費や光熱費だけでなく、税金、社会保険料、住居費、医療費などを含む支出全体です。
このページでは、将来の金額を「今のお金の価値」にそろえて確認します。たとえば生活費月25万円は、「今の生活水準で月25万円」という意味です。インフレ率年2%を反映したうえで、現在価値ベースの資産推移を比較します。
公的年金と退職金は、額面ではなく手取り額で入力しています。年金見込み額は人によって大きく違うため、自分で試算するときは、ねんきん定期便やねんきんネットの金額を使うと現実に近づきます。
なお、iDeCo・企業型DCも一時金で受け取る場合は、退職金との受け取り時期や拠出期間によって、退職所得控除の使われ方が変わります。額面をそのまま足すのではなく、退職金とiDeCoの税引後手取りを3ケースで比較した記事もあわせて確認してください。
退職金2,000万円は現金で受け取り、運用には回さない前提です。退職前から保有しているその他資産は、全世界株式で運用するモデルとしています。運用資産のリターンとリスクは、全世界株式ETFであるVTの過去データをもとに設定しています。特定の商品への投資をすすめるものではなく、過去の実績は将来の成果を保証しません。
シミュレーションした複数の資産推移のうち、想定寿命の90歳まで資産が残った割合です。
たとえば94.1%なら、今回の入力条件と運用前提で試算したパターンのうち、94.1%で90歳まで資産が残ったという意味です。将来の成功確率を保証する数字ではありません。
シミュレーション結果を資産が少ない順に並べたとき、下位20%付近の資産推移です。平均より少し悪い相場になった場合の目安です。
下位10%付近の資産推移です。悪い相場になった場合の資産寿命を確認します。
下位5%付近の、かなり悪い資産推移です。退職判断では、この場合に何歳まで資産がもつかも見ておくと、計画の余裕が分かります。
このページでは、達成見込みだけでなく、やや慎重・慎重・厳しめの各ケースで何歳まで資産がもつかを確認します。
退職金2,000万円、その他資産1,500万円、年金月18万円は変えず、生活費だけを変えました。
| 生活費 | FIRE達成見込み | やや慎重(下位20%) | 慎重(下位10%) | 厳しめ(下位5%) |
|---|---|---|---|---|
| 月20万円 | 100% | 90歳まで尽きない | 90歳まで尽きない | 90歳まで尽きない |
| 月25万円 | 94.1% | 90歳まで尽きない | 90歳まで尽きない | 89歳ごろ |
| 月30万円 | 59.1% | 80歳ごろ | 76歳ごろ | 74歳ごろ |
年金開始後の生活費と年金の差は月2万円です。今回の条件では、厳しめのケースを含めて90歳まで資産が残る見込みでした。
ただし、この結果だけを見て「退職金2,000万円あれば安心」とは言えません。生活費や年金、その他資産が違えば結果も変わります。
FIRE達成見込みは94.1%です。やや慎重・慎重ケースでは90歳まで資産が残りますが、厳しめケースでは89歳ごろに尽きました。
達成見込みだけなら高く見えます。しかし、下振れした場合の余裕は想定寿命の直前までしかありません。大きな医療費、介護費、住宅修繕、車の買い替えなどを別に見込む場合は、追加支出も含めて確認したい条件です。
FIRE達成見込みは59.1%まで下がりました。やや慎重ケースは80歳ごろ、慎重ケースは76歳ごろ、厳しめケースは74歳ごろに資産が尽きます。
生活費が月25万円から5万円増えただけで、厳しめケースの資産寿命は89歳ごろから74歳ごろへ、約15年短くなりました。
生活費の差は、年金が始まるまでの5年間だけでなく、65歳以降にも続きます。そのため、月5万円の違いが長期では大きな差になります。


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次に、退職金2,000万円と生活費は変えず、その他資産を1,500万円から1,000万円へ減らしました。
| その他資産 | 総資産 | 生活費 | FIRE達成見込み | 厳しめケース |
|---|---|---|---|---|
| 1,500万円 | 3,500万円 | 月25万円 | 94.1% | 89歳ごろ |
| 1,000万円 | 3,000万円 | 月25万円 | 83.7% | 81歳ごろ |
| 1,500万円 | 3,500万円 | 月30万円 | 59.1% | 74歳ごろ |
| 1,000万円 | 3,000万円 | 月30万円 | 30.5% | 71歳ごろ |
生活費月25万円では、その他資産が500万円減ると、達成見込みは94.1%から83.7%へ下がり、厳しめケースの資産寿命は89歳ごろから81歳ごろへ8年短くなりました。
生活費月30万円では、達成見込みが59.1%から30.5%へ、ほぼ半分になります。
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査では、勤続20年以上かつ45歳以上の「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」の定年退職者について、平均退職給付額は1,896万円でした。ただし、この金額には退職一時金だけでなく、退職年金の現価額を含む場合があります。勤務先や勤続年数でも大きく違うため、2,000万円はあくまで比較用のモデルとして見てください。
大切なのは、退職金が平均より多いか少ないかではありません。自分の退職金と、退職金以外の資産を合わせたときに、生活費を何歳まで支えられるかです。
退職後は、相場が下がっても生活費の支払いを止められません。
働いている間なら、生活費を給与から払い、運用資産の回復を待てる場合があります。退職後は、下落した資産を売って生活費を補うことがあります。売却した分は、その後に相場が回復しても元には戻りません。
このため、同じ平均リターンでも、悪い相場が退職直後に来るか、後半に来るかで、資産寿命が変わります。
今回の結果でも、生活費月25万円は達成見込み94.1%でしたが、厳しめケースでは89歳ごろに資産が尽きました。生活費月30万円では、厳しめケースが74歳ごろまで早まります。
平均的な資産推移だけを見るのではなく、次の三つをセットで確認することが重要です。
今回の試算は一例です。自分で確認するときは、最初から細かな条件を何十個も変える必要はありません。まずは次の順番で比べると、何が資産寿命に効いているか分かりやすくなります。
生活費は、食費だけでなく、税金、社会保険料、住居費、医療費、旅行、交際費などを含む年間支出全体で考えます。
退職後は住民税や健康保険料の支払い方が変わるため、「会社を辞めれば今の支出よりすぐ安くなる」と決めつけない方が安全です。
今回の試算では、月25万円から月30万円への5万円差で、厳しめケースの資産寿命が約15年変わりました。
現在の生活費だけでなく、少し下げた場合と、少し増えた場合を比べると、計画の余裕が分かります。
年金月18万円は、今回の比較用条件です。自分の年金見込み額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認してください。
夫婦のどちらかが先に亡くなった場合は、世帯の年金と生活費の両方が変わる可能性があります。夫婦世帯では、一人になった場合の条件も確認しておくと安心です。
預貯金、特定口座、NISAは比較的使いやすい一方、iDeCoや企業型DCは受け取り時期に制約があります。
総資産だけでなく、60歳時点で実際に使える資産がどれくらいあるかを確認します。
住宅修繕、車の買い替え、子どもへの援助、医療・介護など、毎月の生活費に含めにくい支出がある場合は、別の支出として追加します。
月25万円のケースのように、想定寿命ぎりぎりまで資産がもつ結果では、一時支出を加えると見え方が変わる可能性があります。
退職直後の生活費を現金で確保しておくと、相場が下がった時期に運用資産を売らずに済む場合があります。
一方、現金を多くしすぎると、長期では物価上昇に弱くなる可能性があります。現金を何年分持つかも、自分の条件で比べてください。
この三つだけでも、今の計画にどれくらい余裕があるかが見えやすくなります。
このページの試算は、入力条件にもとづく一例であり、将来の結果を保証するものではありません。税制、公的年金制度、社会保険制度は変更されることがあります。特定の金融商品の販売・勧誘を目的としたものではありません。